現在東京で開催されている日本糖尿病学会年次学術集会に出席しました。学会は今日から3日間の日程で行われ、糖尿病に関して最新の知見を様々な視点から議論されます。今回は教育講演を中心に聴講しました。1型糖尿病の病型と診断について、インスリンを分泌するβ(ベータ)細胞の最近の研究状況について、メタボリックシンドロームにおける脂肪細胞や関連する臓器での病態変化について、脳内のインスリンの役割、糖代謝について、非アルコール性脂肪性肝疾患についての講演がありました。中でも鼻から投与する(経鼻)インスリンの認知機能改善や食欲抑制作用については特に今日興味を引きました。近い将来実際の治療に応用されるでしょうか。私が参加したランチョンセミナーでは、先日製造承認が得られた新しい週1回のGLP-1受容体作動薬についての紹介がありました。血糖降下作用や体重減少作用も優れているようで、胃腸障害など副作用に注意しながら使用すれば、新たな有用な治療薬の一つになりそうです。