昨日12月21日、過剰の糖を尿中に排泄させる糖尿病薬「SGLT2阻害薬」の一部の薬剤で、「1型糖尿病」においても処方できるようになりました。「SGLT2阻害薬」は尿細管において尿糖を再吸収を阻害する血糖降下薬で、「2型糖尿病」のみで処方されてきました。「1型糖尿病」では、インスリン分泌が枯渇しているため、インスリン療法を中心に治療がなされてきましたが、治療の選択肢が増えることは朗報だと思います。「SGLT2阻害薬」は、血糖降下作用のみならず、心臓、腎臓など他臓器にもその有用性が報告され、米国糖尿病学会でも治療薬の位置づけとして上位に挙げられました。ただし、「1型糖尿病」での「SGLT2阻害薬」の併用は、ケトアシドーシスなど重大な副作用を起こす可能性が「2型糖尿病」より高くなると予想され、慎重に使用しなければならないと考えます。とはいえ、1型糖尿病でインスリン療法によっても血糖コントロールが芳しくない方の中には、SGLT2阻害薬の併用が有効である方も出てくると思いますので、その効果に期待したいと思います。